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オフィスのテナント賃貸で契約時の注意点は?見落としがちな契約内容も併せて解説

テナント豆知識

俣野 絵未

筆者 俣野 絵未

不動産キャリア4年

明るく元気がモットーです!


事務所やオフィスの移転を検討するとき、賃貸契約には注意すべきポイントが多く存在します。


保証金や敷金、契約期間、原状回復の条件など、事前にしっかり確認しなければ、

後になって余計な費用やトラブルが発生することもあります。


この記事では、オフィステナント賃貸において押さえておきたい重要な注意点を、初期費用から契約内容、

そして物件選びに至るまで分かりやすく解説します。安心して新たなスタートを切るために、ぜひご一読ください。


保証金・敷金と初期費用の注意点

事務所・オフィスを借りる際、初期費用には特に注意が必要です。


まず、保証金(敷金)は賃料の3~12ヶ月分が相場です。賃借面積や貸主の種類により変動し、

たとえば10~40坪の場合は3~6ヶ月分、

大規模なオフィスや開発業者が貸主の場合は6~12ヶ月分が一般的とされています。

その他の初期費用には以下のようなものがあります:

費用項目目安
礼金賃料の1~2ヶ月分(返還されません)
仲介手数料賃料の1ヶ月分(消費税別)までが上限
前家賃・日割り家賃前家賃は1~2ヶ月分、日割り家賃は入居月の日数に応じて
火災保険料・保証料火災保険は2年で約2~4万円、保証会社利用料は家賃の0.5~1ヶ月分

これらを合計すると、オフィスの場合は初期費用が「賃料の約12ヶ月分」、

あるいは「年分」に相当することもあり、居住用より高額になります。

そのため、事業所移転をお考えの方は、初期費用をしっかり見積もり、予算に余裕を持った設計が重要です。

契約形態と更新・解約のポイント

事務所やオフィスの移転を考えている方向けに、契約形態や更新・解約に関するシンプルな特徴を整理しました。

契約形態 普通借家契約 定期借家契約
更新の有無 契約期間満了後、自動更新や合意更新が可能です。貸主が更新を拒否するには「正当な理由」が必要です。  契約期間終了時に確実に終了します。更新には再契約が必要で、貸主に正当事由は不要です。 
中途解約(借主側) 契約書に特約があれば可能です。予告期間や違約金などは契約内容によります。  基本は認められません。事業用では居住用のような例外も適用されず、違約金や通知に関する特約が必要です。 

たとえば、普通借家契約では貸主側が正当な理由なく解除することは難しく、

借りる側にとっては安定した契約形態となっています。 


一方、定期借家契約は貸主が契約期間終了後に確実に明け渡しを求められるため、

貸主にとって有利ですが、借主にとっては移転計画が立てにくいリスクがあります。 


更新方法については、普通借家契約では「自動更新」「合意更新」「法定更新」の仕組みによって契約が続行されますが、

更新の際には書面で通知や更新料の確認が必要です。


特に契約書の条項をよく確認し、更新料の有無も押さえておくことが大切です。


中途解約に関しては、特約の有無や内容が重要な判断材料になります。


違約金の金額や通知期間など、契約書で明確にされているかを必ず確認してください。


これはオフィス移転に際し、予期せぬ費用やスケジュールのズレを防ぐ上でも重要です。


以上の内容を踏まえ、どちらの契約が自社の移転計画に合うか慎重に検討していただき、

必要に応じて弊社でもサポートさせていただきます。

原状回復・使用目的・禁止事項の確認

オフィスや事務所を借りる際に重要な「原状回復」「使用目的」「禁止事項」は、

退去後のトラブル防止のために契約時にきちんと確認しておく必要があります。


まず「原状回復」についてですが、民法(第六百二十一条)では、借主は故意や過失による損傷を除き、

通常の使用や経年劣化による損耗は原状回復義務の対象ではないと定められています。 


 しかし事務所やオフィスなど事業用物件では、このガイドラインが住宅用に限られるため、

契約書に基づいて「借りた当時の状態へ戻す」ことが求められる場合が多くあります。 


 とくに「スケルトン貸し」の場合は、内装を全て撤去しスケルトン状態に戻す原状回復が

義務付けられている場合もあります。


次に「使用目的(用途)」についてですが、賃貸契約には明確に使用目的(例:事務所用)が定められており、

無断で他の用途に変更すると契約違反となり得ます。


用途変更には貸主の許可が必要となることが多く、許可無く転用すると契約解除や違約金リスクを招く可能性があります。


最後に「禁止事項」について、例えば無断で看板を取り付けたり、

建物の登記を行ったりすることは、契約違反となる可能性が高く、貸主とのトラブルの原因になりがちです。


これらの禁止事項は契約書や重要事項説明書に明記されている場合がほとんどですので、事前の確認が不可欠です。


以下の表に、契約前に確認すべきポイントをまとめています。

確認項目 チェック内容 注意点
原状回復の範囲 通常損耗か故意・過失か、スケルトン仕様かなど 事業用は住宅用より範囲が広い場合あり
使用目的(用途) 契約で定められた利用目的を遵守しているか 無断転用は違約リスク
禁止事項 看板設置・登記・構造変更などの可否 契約違反と判断されることあり

契約書の条項と物件の安全性・将来性の確認

オフィス移転を安心して進めるためには、契約書の条項や物件の安全性、貸主の信用など、将来にわたるリスクを事前に把握しておくことが不可欠です。以下のポイントに注意してご確認ください。

確認項目 留意点 理由
賃料自動改定・共益費増額・特約 自動改定の条項や共益費の増額可能性、特約内容を明確に 将来の支出を正確に見積もり、予算設計の精度を高めるため
建物の耐震性・設備・安全性 耐震基準や設備の状態、ハザードマップ上の位置などを確認 地震や災害への備えが十分かどうかを事前に把握するため
抵当権・貸主信用・退出リスク 抵当権の有無や貸主の信用状態を調査し、対応策を考慮 建物が競売にかけられた際の保証金返還や契約継続の安全性を確保するため

まず、賃料自動改定条項や共益費の増額可能性、特約事項は、契約書にしっかり明記されているか確認しましょう。


例えば、賃料の自動改定特約は合理性があれば有効とされますし、

共益費増額の項目も将来の支払い額に大きく影響するため、条文の有無と内容を把握することが重要です。


いずれも契約後の金銭負担に直結しますので、見落としのないようにご確認ください。


次に、建物の耐震性や設備の状態、ハザードマップ上の安全性についても事前にしっかり確認しましょう。


地震などの自然災害に対する建物構造や設備の耐久性、安全確保の観点は、事業継続の要となるポイントです。


契約前に専門家による診断報告書や公的なマップを参照して、リスクの把握に努めましょう。


さらに、抵当権の設定の有無、貸主の信用力、将来の退出リスクも重要な確認事項です。


抵当権付きの物件を借りた場合、建物が競売にかけられた際は借主が予期せぬ退去を余儀なくされることがあり、

その際に預けた保証金(敷金)が返還されない恐れもあります。


また貸主の信用状態が不透明だと、契約後に問題が生じる可能性もありますので、

担保設定の有無や貸主の財務状況を可能な限り把握しておくことをおすすめします。


以上の内容を契約前にしっかり確認することで、オフィス移転後の安心な事業運営につなげることができます。

まとめ

事務所やオフィスの移転に際しては、保証金や敷金などの初期費用だけではなく、

契約形態や更新・解約に関する条項、原状回復や用途制限といった重要なポイントを丁寧に確認することが大切です。


特に事業用の賃貸は金額や条件が居住用と異なるため、予算や条件面での見落としがないよう、

事前にしっかりと計画を立てましょう。


契約書の細かな条項や物件自体の安全性なども含めて把握しておくことで、安心してご移転いただけます。

後悔のないオフィス選びのために、ぜひ慎重にご検討ください。

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