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テナントを売却か貸すかどちらがいいか悩む?空室オーナー向けに売却と賃貸の判断基準を解説

オーナ様に向けて

俣野 絵未

筆者 俣野 絵未

不動産キャリア6年

明るく元気がモットーです!

空室のままの店舗やテナントを前に、売却すべきか、それとも貸すべきかと悩んでいませんか。
どちらを選ぶかで、今後の資金計画や資産の残り方は大きく変わります。
一方で、判断を先送りにすると、固定資産税や維持管理コストだけがかかり続けることも少なくありません。
この記事では、テナントを売却する場合と貸す場合の違いを基礎から整理し、それぞれのメリット・デメリットを具体的に解説します。
さらに、収支シミュレーションの考え方や判断チャートも紹介し、オーナーとして納得感のある結論に近づけることを目指します。
今まさにテナントの売却か賃貸かで迷っている方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

テナントを売却か貸すか悩む前に押さえる基礎

まずは、店舗・テナントを「売却する」場合と「貸す」場合の基本的な違いを整理しておくことが大切です。
売却は不動産そのものの所有権を手放し、代わりにまとまった売却代金を受け取る取引です。
一方で、貸す場合は所有権を維持したまま、賃貸借契約に基づいて賃料収入を得る形になります。
所有権を残すかどうかによって、資産としての位置付けや今後の活用の選択肢が大きく変わります。

次に、空室のまま店舗・テナントを保有し続けると、毎年の固定資産税や都市計画税の負担が生じる点を確認しておく必要があります。
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に対して、固定資産課税台帳に登録された評価額を基に課税される税金です。
商業地等の土地や建物についても、評価額に一定の負担調整措置を加えた課税標準額に税率を乗じて税額が算出されます。
さらに、建物の維持管理費として、清掃や設備保守、光熱水費、修繕費などのコストが継続的に発生します。

こうした税金や維持管理費の負担を踏まえると、テナントオーナー自身の資金計画を早い段階で整理しておくことが重要です。
今後の収入や支出の見通し、ローン返済の有無、将来の生活設計などを踏まえて、どの程度の期間なら保有コストに耐えられるかを確認しておきます。
あわせて、将来的に自社利用や親族による利用の予定があるのか、それとも利用予定がなく資産の組み替えを優先したいのかを棚卸しすることも欠かせません。
こうした整理ができていると、売却か賃貸かを検討する際の判断軸がぶれにくくなります。

選択肢 主な特徴 事前に確認したい点
売却する場合 所有権放棄による資産現金化 売却希望価格と残債の関係
貸す場合 所有継続し賃料収入確保 想定賃料と空室リスク
空室で保有 柔軟な将来活用の余地 固定資産税と維持費負担

空室テナントを売却するメリット・デメリット

空室テナントを売却する大きなメリットは、資産を早期に現金化できる点です。
売却代金を事業資金や新たな投資、借入金の返済などに充てることで、資金繰りの安定や経営改善につなげやすくなります。
また、空室期間中も発生している固定資産税や管理費用、老朽化に伴う修繕負担から解放されることも重要です。
さらに、将来の空き店舗リスクを切り離し、心理的な負担を軽減できる点も、売却を検討する際のメリットといえます。

一方で、売却には仲介手数料や司法書士報酬、測量費などの諸費用がかかり、売却益が出た場合には譲渡所得税や住民税が発生する可能性があります。
売却後は賃料収入を得る機会がなくなるため、長期的なインカムゲインよりも一時金を優先する判断になることを理解しておく必要があります。
また、国土交通省の不動産価格指数では商業用不動産が足元で上昇傾向にあるとされており、将来的な価格上昇の機会を手放すことになる点もデメリットです。
このように、税負担と将来の値上がり余地を総合的に見極めることが欠かせません。

売却が向きやすいかどうかは、テナントの築年数や建物の状態、立地の商業環境、地域全体の空き店舗の動向などを踏まえて判断することが大切です。
中小企業庁の商店街実態調査では、商店街の平均空き店舗率は約10%台半ばで推移しつつ、将来的に空き店舗が増加すると見込む商店街も多いとされています。
老朽化が進んで大規模修繕が近い場合や、周辺で空き店舗が増え集客力の低下が続いている場合は、賃貸での長期保有よりも売却で早めに出口を取る選択肢が現実的になることがあります。
反対に、周辺環境の再開発や来街者数の増加が見込まれるエリアでは、売却のタイミングを慎重に検討することが重要です。

項目 売却のメリット 売却のデメリット
資金面 早期の現金化 賃料収入の喪失
管理負担 維持管理から解放 資産形成機会の縮小
市場動向 空室リスクの回避 将来値上がり機会放棄

空室テナントを貸すメリット・デメリットと注意点

空室となっている店舗やテナントを貸す最大のメリットは、賃料収入を得ながら資産を維持できる点です。
売却せずに保有を続けることで、将来の自社利用や建替えなど活用の選択肢を残せます。
また、長期的に安定した賃料収入が見込めれば、ローン返済や固定資産税などの支出を賃料でまかなうことも可能です。
このように、貸す選択は資産を手放さずに活用するという考え方に合致しやすいといえます。

一方で、テナントを貸す場合には、空室期間が長引くリスクや家賃滞納のリスクを避けて通ることはできません。
国土交通省の資料でも、賃貸住宅を含む賃貸経営では家賃滞納や原状回復を巡るトラブルが典型例として挙げられており、店舗や事務所でも同様の注意が必要です。
さらに、建物や設備の老朽化が進むと、大規模修繕や設備更新の費用負担が生じ、賃料収入だけでは賄いきれない場合もあります。
日常の点検やクレーム対応など、管理にかかる時間と労力も、貸す場合のデメリットとして認識しておくことが大切です。

実際に貸し出す際は、テナント募集条件や契約形態を慎重に検討することが重要です。
借地借家法に基づく普通借家契約は、正当事由がない限り貸主から解約しにくい一方で、定期建物賃貸借契約は期間満了で契約が終了するため、将来の活用予定がある場合に選択されることがあります。
ただし、定期建物賃貸借とするには、あらかじめ契約更新がなく期間満了で終了することを書面で説明する必要があり、説明が不十分だとトラブルの原因になりかねません。
したがって、契約期間、解約条件、原状回復の範囲などを事前に整理し、自身の資産計画に合った契約内容とすることが大切です。

項目 貸すメリット 貸すデメリット
資金面 賃料収入の確保 空室時の収入減少
資産活用 将来利用の選択肢確保 老朽化に伴う追加投資
管理負担 安定運営なら手残り増 滞納対応やクレーム対応

テナント売却か賃貸かを判断する基本チャート

テナントを売却するか貸すかを検討する際は、まず収支と利回りを整理することが大切です。
例えば、賃貸に出した場合の年間賃料収入から、管理費や修繕費、固定資産税などの年間支出を差し引き、手取り収入を把握します。
そのうえで、売却した場合に手元に残る金額と比較し、何年で売却額に相当する収入が得られるかを簡易的に試算すると判断材料になります。
一般的に、手取り賃料収入を購入価格や現在の売却想定額で割って求める表面利回りが、他の投資商品と比べて見合うかどうかも確認しておくとよいです。

次に、ローン残債の有無や返済状況を確認することが重要です。
売却代金でローンを完済できるかどうか、完済後にどの程度の手取りが残るかを把握すると、売却の現実性が見えてきます。
一方で、将来、自社での利用や家族の事業利用などの予定がある場合は、一定期間だけ賃貸に出す選択肢も検討できます。
さらに、周辺の空き店舗数や商業集積の変化など、地域の動向を把握することで、長期保有と売却のどちらがリスクを抑えやすいかを判断しやすくなります。

それでも判断が難しい場合は、最終的な決断の前に専門家へ相談することをおすすめします。
相談の際には、テナントの所在地や延床面積、築年数、現在の固定資産税額、修繕履歴などの基本情報を整理しておくと、具体的な助言を受けやすくなります。
加えて、希望する賃料水準や売却希望価格、売却・賃貸のどちらを優先したいのかといった意向も、事前に整理しておくとよいです。
こうした情報を基に相談することで、自身では見落としがちなリスクや、より有利な活用方法の提案を受けられる可能性が高まります。

確認項目 売却を検討する目安 賃貸を検討する目安
年間手取り収入 売却額に比べ低利回り 安定した黒字収支
ローン残債 売却で完済可能 返済と賃料で両立
将来の利用予定 自社利用予定なし 将来の自社活用予定
地域の空き店舗動向 空き店舗増加傾向 需要が底堅い傾向

まとめ

空室テナントを売却するか貸すかは、収支だけでなく将来の資産活用やリスク許容度によって最適解が変わります。
自己資金やローン残高、今後の利用予定を整理したうえで、売却と賃貸それぞれのメリット・デメリットを数字で比較することが重要です。
当社では、収支シミュレーションから契約形態の検討まで、オーナー様ごとの事情に合わせた判断材料をご提供しています。
「うちのテナントは売却と賃貸どちらが向いているのか」を知りたい方は、まずはお気軽にご相談ください。

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